Ola!(オウラ)にほん語サービス、代表の浅見惠子と申します。
当事業所では、外国の方への日本語教育を軸に、日本の方への日本語コミュニケーション術セミナー、各種手続きのお手伝い、電話代行、資料収集など、これからの多文化共生時代のための様々なサポート、指導をご提供しております。
私は、このサービスで開業する前2002年から2009年までは、日本での高等教育機関への進学を希望する留学生を対象とした日本語学校で「受験のための」日本語を指導しておりました。
出産を機に退職したのち、2010年に日本一外国人居住率の高い、群馬県大泉町に転居し、2008年のリーマンショックで退職を余儀なくされた日系の方向けに2009年からはじまった研修、厚生労働省主催「日系人就労準備研修」(現「外国人就労定着支援研修」)の講師をさせていただくご縁に恵まれました。
そこで、長年日本に居ても言葉の問題で外国人コミュニティのみで暮らしている方が多くいらっしゃる現実を初めて目の当たりにしたのです。リーマンショックの際に真っ先に職を失ったのは、こういった日本語でのコミュニケーションが難しい方々でした。
その後2年ほどはこちらの講師に専念していましたが、徐々に景気も回復し、修了生の就職も増えていきました。無事就職した方からは毎日のようにうれしい知らせとともに、「もっと日本語を勉強したい」「書類が読めなくて困っているので助けてほしい」といったSOSが送られてくるようになりました。
厚労省主催の研修は求職中の方を対象としていたため、毎日決まった時間に授業を受けることが参加条件です。仕事をしながら受講することは難しいのが現実でした。こういった要望にお応えする形で、2012年から試験的に個人で日本語塾を始め、2013年3月に外国人向けの日本語塾、日本語のお困りごとをお手伝いする日本語便利屋をご提供するOla!オウラにほん語サービスを始めました。事業所名は当時の拠点大泉町が群馬県邑楽郡(おうらぐん)にあったことと、ポルトガル語やスペイン語の「Ola!(日本語の「やあ!」のような挨拶」にかけています。
残念ながら家庭の事情で2014年秋に家庭の事情で前橋市に転居し、大泉町の塾は閉めざるを得なくなりました。拠点を維持できませんでしたので、現在は自宅を事務所に前橋、伊勢崎、大泉、太田、桐生、館林など群馬県内の色々な場所へ私のほうが出張してレッスンをご提供しております。
当初、個人の定住者向けにスタートした日本語塾ですが、最近では県内の法人様からのご依頼も多くなってまいりました。そこで、日本企業で働く外国人スタッ フのための「職場で使える日本語研修」も始めました。こちらでは、日本語レッスンの合間に日本の職場環境、多忙を極める職場で簡潔にコミュニケーションする技術なども合わせて指導させていただいております。
また、外国の方だけが日本語を習得し、コミュニケーションを図っていくことへの限界を感じ、日本の方向けに「日本語で簡潔にコミュニケーションする術」をお伝えするセミナーを開始いたしました。こちらでは日本語に枠を設け簡潔にすることで、お互いのコミュニケーションがより楽になる方法をご指導しております。単に言葉の問題だけでなく、文化背景の違いなど、同じ環境で働く際の秘訣も盛り込んでいます。
最後に、私が日本語教師になったいきさつをお話しさせてください。私は1999年から2001年まで夫の赴任に伴って、西ア フリカのニジェール共和国で生活しました。それは、私にとって初めて親元を離れて実家の家族以外の人と暮らすこと、また、初めて外国で生活することでもあ りました。刺激的な異文化体験ができると思って飛び込んだニジェールでの新婚生活は、想像していたよりもずっと厳しいものでした。
気候風土や文 化の違いがつらかったこともありますが、何よりも私を打ちのめしたのは、人とコミュニケーションできないことによる「自尊心の保てない生活」でした。
言葉ができないことで「差別されている」「自分には価値がない」と思い込み、外出もままならなくなってしまいました。それまで好きな仕事をしてきた私にとっ て、仕事で忙しくほとんど家にいない夫以外に、誰も知り合いがいない場所で主婦としてだけ生きていくのはとても辛い物がありました。
誰からも必要とされていない、
何もすることがない、
そう思い込んで自分から周囲に壁を作っていました。
そんな私が殻を打ち破って、自尊心を取り戻すことができたきっかけ。
それが「現地の子供に日本語を教える」体験でした。
日本語を教えるために、フランス語や現地語の学習に一段と身が入りましたし、言葉を覚えて多くの方から様々な文化を学ぶことができました。そして徐々に、自分が一方的に日本語を教えるのではなく、相手の文化背景を考慮しながら伝えることができるようになっていきました。
限定付きではあっても、異国で外国語を使って働くことで私は、自分自身が価値ある存在だと気付くことができ、日本人としての誇りも取り戻すことができました。そして帰国後、専門学校に通い、日本語教育を学び、日本語教師として新しいスタートを切ることにしたのです。
ほかの言葉を覚え、文化を知り、働くことで、どれほど人生が豊かになるか。自信を取り戻すことができるか、身を持って痛感しております。
超少子高齢化を迎える日本社会。これからますます皆様の職場やご近所に外国のルーツを持つ方が増えてくるでしょう。彼らだけが日本語を学んでいくよりも、こちらからも歩み寄って交流していき、コミュニケーションの「道具」として日本語を活用していくこと。そして、日本がもっと開かれた多文化社会になって、多くの方にもっともっと魅力的な存在になること。これが私の願いです。
Ola!(オウラ)にほん語サービス
代表 浅見惠子
Ola!オウラにほん語サービス Facebookページ
http://www.facebook.com/Ola.nihongo.service
【群馬県前橋市】あさみけいこ流 日本語研修のススメ
*塾の代表、浅見惠子のブログです。
東京出身 |
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1997年 | 東洋大学文学部印度哲学科卒業 |
1997年~1999年 |
都内出版社で、営業、制作業務に従事。 |
1999年~2001年 |
夫の仕事に伴い、西アフリカのニジェールで暮らす。 |
2002年 |
千駄ヶ谷日本語教育研究所 日本語教師養成講座450時間修了 |
2002年 |
平成13年度日本語教育能力試験合格 |
2002年~2009年 |
東京、福岡の日本語学校で日本語講師として勤務 |
2003年~2005年 |
夫の仕事に伴い、北アフリカのチュニジアで暮らす |
2009年11月 |
出産のため、一時休職。 |
2010年5月 |
現居住地、大泉町へ転居。 |
2010年~ |
厚生労働省主催「外国人就労・定着準備研修」日本語講師 (~現在) |
2013年 |
Ola!(オウラ)にほん語サービス設立 |
2014年 |
前橋市に転居 |
2015年 |
県内法人様のための「日本語・生活研修」スタート。 |
現在に至る |
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今までに53か国、1200人以上の方に日本語を教えた経験があります。
(2015年3月現在)